もう一つのマイナンバー法人番号について
=====法人番号の制度概要=====
1.指定
国税庁長官が、1.設立登記法人、2.国の機関、3.地方公共団体、4.その他の法人や団体に「13桁」の法人番号を、「1法人に1番号のみ」指定します。
■ 個人番号は「12桁」です。
■ 上記以外の法人でも、一定の要件に該当するものは、届け出ることで指定を受けることができます。
■ 法人番号は、法人の支店・事業所等や個人事業者には指定されません。
2.通知
平成27年10月から、法人番号などを記載した通知書が「登記上の所在地」に送付されます。
■ 商号変更や本店移転をしたが登記が済んでいない場合は通知書がお手元に届かない可能性があります。
■ 本店所在地が実際の事業所の所在地と異なる場合は注意が必要かもしれません。
3.公表
法人番号が指定された法人の1.名称、2.所在地、3.法人番号がインターネット(法人番号公表サイト)を通じて「公表」されます。
■ 法人番号は「誰でも」「自由に」利用可能です。
※これが個人番号と最も異なる点です。
■ パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからでも上記の法人情報が検索・閲覧できます。
■ 法人番号の指定があった後に、商号や所在地等の変更をした場合には、その変更履歴も公表されます。
=====法人番号の利活用=====
法人番号が利用・活用されることによって、次のようなメリットが想定されています。
1.行政の効率化
■ 情報管理の効率化を図り、法人情報の授受・照合にかかるコストを削減する。
2.国民の利便性の向上
■ 法人情報の連携を図り、添付書類の削減など、行政手続きを簡素化し、企業の事務負担を軽減する。
3.公平性・公正性の向上
■ 法人情報の共有により、社会保障や税などの適正な給付と負担の関係性を維持する。
4.新たな価値の創出(法人番号特有の目的)
■ 民間による利活用を促進することにより、新たな価値の創出が期待される。
具体的に、法人番号導入によってどういう事ができるかというと…
■ 法人の商号・本店所在地が容易に確認可能
■ 法人情報が更新されることにより、法人の保有する取引先情報の登録・更新業務が効率化
■ 1つの取引先について、複数部署やグループ各社において異なる取引先コードで管理されているものを、法人番号を統一コードとすることで、取引情報の集約や名寄せ業務が効率化
■ 行政機関の間でも法人の特定や名寄せ、紐付け作業が効率化
などができるようです。
=====法人番号の公表機能=====
法人番号がインターネット(法人番号公表サイト)を通じて「公表」される事は既述したとおりですが、その公表機能として次のものがあります。
1.法人情報を検索・閲覧できる
■ 商号・本店所在地・法人番号のいずれかの検索条件で検索できるようです。
2.法人情報のデータファイルをダウンロードできる
■ 「都道府県別」や「新規設立法人」、「最近移転してきた法人」など、様々な条件で抽出できるようです。
3.情報記録媒体によるデータ提供サービス
■ DVDなどの情報記録媒体を事前に送付することで、法人番号公表サイトで公表されている全法人の月末時点の最新情報がその情報記録媒体に記録されて返送されます。
4.Web-API機能
■ 利用者が保有するシステムからインターネットを介して、法人情報やその更新情報を取得するためのインターフェースが提供されます。
以上、法人番号について簡単にご紹介させて頂きましたが、これから年末に向けて、次々と新たな情報が公開されるでしょう。
新たな制度には善い面ばかりでなく、悪い面もあって必然だと思っております。
制度を正しく理解することで、制度そのものや制度を悪用する者に振り回されることなく、企業経営に邁進して頂ければ幸甚です。
・2015年9月2日 配信