外国子会社配当益金不算入制度について
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A.制度創設時
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この制度は元々、外国子会社の利益を日本国内への資金還流を促進する観点から平成21年度(平成21年4月1日以後開始事業年度から適用)に導入された制度であります。
下記の1.2の全ての要件に該当する場合に外国子会社から受ける配当等の金額の95%が益金不算入になります(法人税法23条の2第1項)。
1.日本親会社により、発行済株式等の25%以上の株式等を保有されていること
2.その保有期間が配当の支払義務が確定する日以前6ヶ月以上継続していること
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B.改正内容
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しかし、オーストラリアやブラジルなど現地で配当等が損金算入されるケースもあるため国際的に二重非課税となる問題が生じていました。
そこで、平成28年4月1日以後開始事業年度に受ける外国子会社からの配当等のうち、現地にて損金算入されるものについては益金不算入額の対象から除外されることとなりました。
ただし、配当等の一部のみが損金算入される場合は、損金算入配当に対応する金額(損金算入対応受取配当等の額)を除いた損金不算入に対応する金額を益金不算入の対象とすることができます(法人税法23条の2第3項)。この場合、確定申告書等に損金算入対応受取配当等の額の計算の明細書の添付、外国子会社の申告書の保存が必要となります(法人税法23条の2第7項、法人税法規則8条の5第2項)。
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C.経過措置
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経過措置として、平成28年4月1日から平成30年3月31日までに開始する事業年度については改正前の制度が適用されます(改正法附則24条第2項)。
ただし、経過措置の対象となるのは平成28年4月1日時点で25%以上保有する株式または出資のみで、同日以後に株式等を新たに取得、または買い増しをして25%以上に保有割合を引き上げたとしても、経過措置は適用出来ません。
記 H27.6.24
・2015年7月10日 配信